裏神保町に 二人で 出かけた。谷崎は 派手なネクタイを つけている。 カッフエにはいると 白粉の剥げた女給が 「好い色のネクタイ」と言う。 芥川は 自分が言われたわけでもないのに その女給に五十銭わたす。 作風の対比が きわだつと感じた。
ふふふ 根っからの東京人の芥川が、谷崎のごてごてした関西趣味を笑ってる。 ま、それだけの話。
もう。芥川さん、 襟飾りもらっちゃえばよかったのに。
芥川さんは、推しの人が尊すぎて無言で死ぬタイプなんですかね。
これは良いホモ。
芥川は谷崎を敬愛し、谷崎特有のファッションを愛していたのではないのだろうか。 道行く人が物珍しそうにジロジロ見る中、カフェの女給だけは谷崎のファッションを褒めた。 芥川はそれに感動し、谷崎の冷笑も厭わず五十銭手渡す辺り、余程嬉しかったことが伺える。 短い文の中で垣間見える二人の関係性は、谷崎潤一郎と芥川龍之介という人物を知る手掛かりとなるだろう。
芥川の繊細さと、谷崎の大胆な生き方が対称的で面白かった。
二人ともあたまが、良い。