良く言えばえば純愛、悪く言えば命まで落とした色ボケ坊っちゃん貴族の話。ただ一気に読ませる力のある作品だ。
不思議
男の欲望と傲慢さを見た。 美しい天女の探し物を手に入れ、天女を拐かしてしまう。笛を返してほしいとせがむ天女になんとか体の関係を持とうとする。 そして盗賊に襲われてあっさり天女の笛を渡してしまう。 その事に悲しむ天女となし崩しに通じてしまう。 その後笛を求めて盗賊を追い、殴られ、蹴られボロボロになって気を失い、目が覚めると醜い姿の怪異、きのこに出会う。恐ろしさに気を失うと喉が乾いて目覚める。身勝手な大納言が最期は川に流されてしまう話。 平安の情緒とも言える色好みも現代に合わせてみれば50を過ぎた贅肉男が嫌がる女を無理矢理に手籠めにして肉欲に溺れて身を滅ぼす話。 やはり色男が主役でないと雅な空気は出ないらしい。