梶井基次郎
何気ない生活の中にもどこか悲哀を感じる描写が印象的だった
雪が 終わった後の道では 滑ったりする人も いた。近く 身二つになる筈の 妻が 足を 取られて 転んだことを 夫に ないしょに していたり 屋根に 空き巣の足跡が 残っていた こともあり 何かと 無用心なので 宿替(やどがえ)えを 考えている。私は 近郊とは あのあたりと 勘がはたらく こともあり よけい 詩味溢れる 文章と 感じた。
大正晩年の東京郊外の様子がノスタルジックに描かれている。姑の街中での牛の安産は妻の安産を暗示か。