「アンゴウ」の感想
アンゴウ
アンゴウ
初出:「サロン別冊 特選小説集・第二輯」1948(昭和23)年5月20日

坂口安吾

分量:約28
書き出し:矢島は社用で神田へでるたび、いつもするように、古本屋をのぞいて歩いた。すると、太田亮氏著「日本古代に於ける社会組織の研究」が目についたので、とりあげた。一度は彼も所蔵したことのある本であるが、出征中戦火でキレイに蔵書を焼き払ってしまった。失われた書物に再会するのはなつかしいから手にとらずにいられなくなるけれども、今さら一冊二冊買い戻してみてもと、買う気持にもならない。そのくせ別れづらくもあり、ほろ...
更新日: 2020/12/27
19双之川喜41さんの感想

 男女の 秘め事を 暗号(安吾)化したことには 違いない。 謎解き仕立てなので 筋立ては 緻密であるけど 情感に溢れ (清張)のように 古代史に明るい 坂口ならではの 作品であると 感じた。

更新日: 2018/05/17
悠貴さんの感想

坂口作品で私の最も好きなものに入るレベル。 奥さんの左利きに合わせていた行動に気付いた時のハッと感は凄い。(本当に左利きに合わせていたのかどうか、そこの真実が気になるところではある) 急展開のラストでの子供たちの言葉が例え主人公の想像だとしても実際にそうであってほしいと思えた。 泣けると言われる作品を見てもあまり泣かない私だがこれは最後泣かされてしまった。

更新日: 2018/04/02
5a0cb9575e26さんの感想

面白い作品ではあったが、 疑った妻や親友への懺悔がない。主人公の人格をうたがう。

更新日: 2017/03/05
ぽっころさんの感想

安吾の作品のなかでも、とりわけ好きな作品。 アンゴウ、安吾、暗号。 倫ならぬ関係を示す暗号かと思わせておきつつ、実際は幼い兄弟の暗号であったギャップに感情を揺さぶられ、涙が止まらなかった。