「不良少年とキリスト」の感想
不良少年とキリスト
ふりょうしょうねんとキリスト
初出:「新潮 第四五巻第七号」1948(昭和23)年7月1日

坂口安吾

分量:約35
書き出し:もう十日、歯がいたい。右頬に氷をのせ、ズルフォン剤をのんで、ねている。ねていたくないのだが、氷をのせると、ねる以外に仕方がない。ねて本を読む。太宰の本をあらかた読みかえした。ズルフォン剤を三箱カラにしたが、痛みがとまらない。是非なく、医者へ行った。一向にハカバカしく行かない。「ハア、たいへん、よろしい。私の申上げることも、ズルフォン剤をのんで、氷嚢をあてる、それだけです。それが何より、よろしい」こ...
更新日: 2022/01/03
78f3022e9176さんの感想

読者が思春期の迷路の中にいる時、太宰は自分のことをわかってくれてると思わせるのが上手いけど、安吾は一緒に戦ってくれる気がする。学生の時に出会えて良かったと思う。

更新日: 2021/04/19
932f5319ba13さんの感想

太宰に酔っぱらってはいけないと思う。 太宰には毒がある。 その毒によって太宰の作品を読んだ人は二日酔いになり貨物列車に 飛び込んだりする。 太宰に酔わない読み方を考えるべきだ。

更新日: 2020/11/22
496b7f29770aさんの感想

『太宰治情死考』とはまた違った視点で太宰先生への想いが書かれている。 それと同時に、ふと安吾先生の本心が垣間見える。生きることに疲れても、それでも、「是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。」と。 この文章が書かれてある終盤は、特に人生とは、生きるとは、死ぬとは、の全てが書かれており、人生は勝ち負けではなく、負けないこと。負けなければ良いのだということを、知ることが出来た。人間は何故生きるのか、死とは一体何か、生きることの答えを明確に頂けたようで、ただただ、感慨深く、感謝しかない。「人間は、決して、勝ちません。たゞ、負けないのだ。」この文章を胸に刻みたいと思う。 「いつでも、死ねる。そんな、つまらんことをやるな。」……一定の評価をしながらも、生きていればもっと大成したであろう太宰先生の死を、安吾先生の辛辣な文章は静かに悼んでいる。

更新日: 2020/11/14
5aa7ac1702e7さんの感想

久しぶりに読んでみたら、安吾の優しさに泣けた。

更新日: 2020/04/23
c290f323e6d3さんの感想

生きることについて力強く描かれていることが素敵だと思います。坂口安吾さんの作品は初めて読みましたが、とてもあたたかい人だと思いました。太宰治さんのこと、関係、その他登場する人々について詳しくないので、真偽は分かりませんが、私は坂口安吾さんが太宰治さんのことを大切に思っていたのでないかと思い、少しだけ切なくなりました。

更新日: 2019/10/31
19双之川喜41さんの感想

 思いを凝らして 紡ぎ出した文章ではないので 非常に軽い。 すぐ読めて すぐ忘れる。 芥川の自死の遠因が 梅毒のようなことも 言い放っている。 本当かなと感じた。

更新日: 2017/10/27
af8b55be2d09さんの感想

とても力強い。何よりも「生きる」ことに重きを置く姿勢、特徴的な文体といい、最も安吾らしい作品の一つだと思う。「堕落論」よりも分かりやすいおもしろさ。

更新日: 2017/03/20
feae06c998b5さんの感想

素晴らしい作品の一言につきます。 解釈が難しく、一度読んだだけではあまり何を言っているか分からないのですが、繰り返し読むうちに段々と理解が深まり、より面白く、興味深い作品だと感じます。坂口安吾が亡き太宰治に向けた感情の一つ一つが伝わってきました。全人類に読んでほしい素晴らしい作品です。