一々うなずかないというか そうなのかと 半疑問が起きてしまう。 恋愛は人生の花であり これいがいに 花はないと言い切れる人は 幸せ者だと感じた。
どうせ死ぬんだから、早死にしなさい、とは言わない。 同じように、どうせ恋や愛なんて消えてしまうのだから、恋愛などやめとけ、とは言わない。 というような事が書いてあった。 納得である。 失恋の歌のほうが、恋愛成就の曲より恐らく多いのではなかろうか? それほど儚い(人の夢ははかない)ものなのが恋愛である。 それでも、人が人(通常は異性)を好きになるのは、どんな金持ちも貧乏も天才も馬鹿もイケメンもゲスも万人共通の自然な感情である。 性慾はもっと抑えられない衝動である。
これ、好き。
・ほんとうのことというのは、ほんとうすぎるから、私は嫌いだ。死ねば白骨になるという。死ねばそれまでだという。こういうあたりまえすぎることは無意味であるに過ぎないことだ。 ・つまり人間は死ぬ、どうせ死ぬものなら早く死んでしまえ、ということが成り立たないのと同じだ。
現代でも共感できる点が多い。 どうしてもネガティブになりがちな恋愛を楽観的に捉えさせようとする明るい作品のように感じられた。
失恋と得恋は苦痛において同価、と安吾は言う。捨てられた人を弱者、捨てた 人を強者とすると一般的には弱者が同情され、強者は非難される。 だが、それを避けるために強者が妥協すれば、偽恋とでもいうべき状況下で苦痛しかないそうだ。 安吾なら、所謂一連の「ゲスな話」を どう成敗していたことだろうか? 安吾の文学ほど、「Positive」な文学はないと思うので、太宰的なウジウジ感がなく、痛快で心が晴れることだろう。