「巴里にて」の感想
巴里にて
パリにて

与謝野晶子

分量:約7
書き出し:巴里の良人の許へ着いて、何と云ふ事なしに一ヶ月程を送つて仕舞つた。東京に居た自分、殊に出立前三月程の間の忙《せは》しかつた自分に比べると、今の自分は餘りに暇があるので夢の樣な氣がする。自分の手に一日でも筆の持たれない日があらうとは想像もしなかつたのに、此處へ來てからは全く生活の有樣が急變した。其れが氣樂かと云ふと反對に何だか心細い樣な不安な感が終始附いて廻る。好きな匂の高い煙草も仕事の間に飮んだ時...
更新日: 2024/04/11
19双之川喜41さんの感想

 華(鼻)の都 パリは 今も 昔も 芸術と文化の 中心地として 憧れる 人が 後を 絶たない。ところが 出掛けてみると 足元に 犬の 落とし物が 無数に 散らばっている。仏人の 誇る 自由とは 犬の 雲古を 放置する 自由なのである。まさか 旅日記に 記す わけにも いかないので 闇から 闇に 葬られ ようやく 最近になって やや 知られるようになり フランスには 二度と 行かないと 云う人も 出てくる。そも ハイヒール なるものは 雲古避けに 開発されたという 説も あるという。本当か どうかは 判らない。