「戦争と一人の女」の感想
戦争と一人の女
せんそうとひとりのおんな
初出:「新生 臨時増刊号第一輯」1946(昭和21)年10月1日

坂口安吾

分量:約23
書き出し:野村は戦争中一人の女と住んでゐた。夫婦と同じ関係にあつたけれども女房ではない。なぜなら、始めからその約束で、どうせ戦争が負けに終つて全てが滅茶々々になるだらう。敗戦の滅茶々々が二人自体のつながりの姿で、家庭的な愛情などといふものは二人ながら持つてゐなかつた。女は小さな酒場の主人で妾であつたが、生来の淫奔で、ちよつとでも気に入ると、どの客とでも関係してゐた女であつた。この女の取柄といへば、あくせくお...
更新日: 2020/04/23
19双之川喜41さんの感想

 戦争中なので 夫婦と同様な生活をしていた。 終戦になっても 別れるわけでもなく 二人の関係を 考え続ける。 戦争がなかったとしても 愚図愚図と 生きたことだろう。 「堕落論」を 抄訳したように 思われた。