坂口安吾
太平洋に 怒涛の嵐を引き起こすべく 爪楊枝で 海をかき回す むなしい作業にも似て 貴方の ささやかな楊枝に 責があるのかは 誰にもわからない。海岸の大波に 一瞬の幻影を 錯視するのは 見果てぬ夢を追い続ける求道者の 矜持かも痴(し)れないと 感じて仕舞った。
テーマは、他人とは共有しにくい男女の肉体の話なのですが、いかんせん安吾の文章力とか言葉の選び方にやられてしまいます。