実母の手前 取り繕わなければ ならない 事態を 親身に心配してくれたのは オカマで 男娼の ヒロシである。 安吾の目線は 若い売春婦と その母親▫ 因業爺 などに対しても 愛情溢れ 差別することはない。 懐が深いことに むしろ 感動してしまうのである。
ハハハ。なんというか、色々つらつら述べてはきたが、結局人間はこんなんだから面白いんだよ、って言われたような気がした。
白髪頭の腰の曲がった老婆の姿をなんで見なければならないのか。 それを手もなく、だまして、言いくるめて、砂をかむやうな不快な思ひをなぜしなければならぬのか。 老いた母と息子とはこんなものだと、つくづく思う。