「見えざる人」の感想
見えざる人
みえざるひと

直木三十五

分量:約44
書き出し:一ロンドン・キャムデン町《まち》なる二つの急な街の侘しい黄昏の中に、角にある菓子屋の店は葉巻の端のように明るかった。あるいはまた花火の尻のように、と言う方がふさわしいかもしれない。なぜなら、その光は多くの鏡に反射して、金色やはなやかな色に彩どられたお菓子の上におどっていた。この火の様な硝子に向って多くの浮浪少年等の鼻が釘づけにされるのであった。あらゆるチョコレートはチョコレートそれ自身よりも結構な...
更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 謎解きものであり 複数の男から 結婚を申し込まれる 女 が  話の 糸口と なるけど 矮身の男に対する 書き方は 差別感が 背後にちらつき ロボットのようなものを 取り入れてる割には  考え方が 硬直で 古いと思ってしまった。

更新日: 2018/03/12
2403617fd478さんの感想

容姿に特徴のある人物や機械式人形などの舞台装置に気をとられると、「心理的に見えない人」に気付きにくいというのが面白い。Wikipediaを参考にすると、1911年のThe Innocence Of Father Brownに入っているThe Invisible Manを翻訳したものだろうと思う。100年以上前の作品なので、そこは読むときには頭の隅に入れておく必要はある。個人的には、直木氏の訳文がちょこっと読みにくいけれど、そこは好きずきなんだろうなぁ。