坂口安吾
終わってみるとアッサリした解決だったが、ある事件に美女が表れたとしたら皆んなの関心はそっちに移って、肝心の焦点よりも盛り上がってしまう。正義感熱血漢の新聞記者である主人公もその時間に現場に居た自負があったからこそ、時系列順に事柄を並べられるまでで霧中に迷い込んでしまった格好。 色んな推理ものが世にあるけれど、現実の事件も当事者たちは意外におかしな事は言わないのだろうし、未解決となっている事件も捜査側の最初の思い込みが迷宮入りの原因となっていたのかもしれないな。