「安吾下田外史」の感想
安吾下田外史
あんごしもだがいし
初出:「歌劇・黒船」1954(昭和29)年5月27日

坂口安吾

分量:約7
書き出し:ハリスが通訳ヒュースケンを従え米国総領事の資格で下田に上陸したのは一八五六年九月三日(日本暦では八月五日)のことだ。なぜ下田に上陸したかというと、前にペルリが日本と薪炭条約を結んだ際、もしも後日両国合意の上領事を置くような場合には下田におくという取りきめがあったからである。下田と江戸の陸上交通は山また山で非常に不便であるが、その不便なのが幕府の狙いで、外蛮の風俗を都に近づけないためという毛ギライか...
更新日: 2023/04/29
19双之川喜41さんの感想

 ハリスが 望んでいたのは 妾ではなく 看護師だったので 当時 十七歳の お吉は 数日で 手付かずのまま 郷に 返された。口さがない 村人たちからの 謂わば 風評被害により 唐人お吉と 言い囃されたので ハリスは かなりの額の 慰謝料の ようなものを お吉に 手渡して ことを 收めたと される。下田秘史は 多様な 見立てを 示しており 自力で 思いを めぐらせる ことの 大切さを 教示しているようにも 想えた。