「牧野さんの死」の感想
牧野さんの死
まきのさんのし
初出:「作品 第七巻第五号」1936(昭和11)年5月1日

坂口安吾

分量:約26
書き出し:牧野さんの自殺の真相は彼の生涯の文章が最もよく語つてゐる。牧野さんの文学は自殺を約束したところの・自殺と一身同体の・文学だつた。牧野さんは理窟の言へない人で、自分の血族と血族にあらざる者とを常にただ次のやうな言葉によつて区別してゐた。「あれはほんとの蒼ざめた悲しさの分る人だよ」牧野さんが僕の小説をほめる言葉「ねえ、ほんとに、なんとも言へない蒼ざめた君の姿があの中にあるんだよ」彼が私に今にも縋りつき...
更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 自殺までが  人生の 一設計図であったと言う  安吾の表現は 痛切に胸に 響く。 ならば  老惨を晒すと言う 図も  組み込んで おいて 欲しかった。 故人を  褒め称えているわけではないけど 苦悩や絶望に  感情移入しており 大きな愛情を感じる。