「『出家とその弟子』の追憶」の感想
『出家とその弟子』の追憶
『しゅっけとそのでし』のついおく

倉田百三

分量:約5
書き出し:この戯曲は私の青春時代の記念塔だ。いろいろの意味で思い出がいっぱいまつわっている。私はやりたいと思う仕事の志がとげられず、精力も野心も鬱積してる今日、青春の回顧にふけるようなことはあまりないが、よく質問されるので、この戯曲のことから青春を思いかえすことがある。私の青春はたしかに純熱であった。私は悔いを感じない。人生に対し、真理に対し、恋愛に対し、私のうけたいのちと、おかれた環境とにおいては、充分に...
更新日: 2020/05/11
4599cd07b49aさんの感想

作家にとって作品とは何かを述べた論考。倉田にとって戯曲は、自分自身の時代・時代の生きてきた証であリ、「出家とその弟子」がたまたま世間に共感を得られたのは、誰しもが経験する淡い青春時代の純情さを表現したからであり、世間を知ってしまった今では、二度と同じものを作ることが出来ないことも述べている。たた同様な意味で、成長の証である「恥以上」ももっと評価さるべきと感想を述べている。