坂口安吾
終戦後の昭和20年代を背景に著された作品です。昭和20年代は、題名通り“カストリ”時代。敗戦による荒廃、退廃の中で生まれた“カストリ”ーー低俗、粗悪ーーは、日本の暗部を表す「文化」であるかと思います。作品中の『カストリ社』は、低俗ーーエログローー記事で大衆を惹き付けるカストリ雑誌社。そこで織り成す人間模様が、個人的には、大変面白いです。昭和30年代に流行った喜劇映画のシナリオを読むかのごとく面白いです。