坂口安吾
あまりに突然の終了に唖然とした。いたずらにばらまかれた疑惑の数々は読者を翻弄させるだけでなく、全てを点と線で繋げていくはずだったのだろうと思いたい。ちらかすだけちらかして逃げる、ゴミ集積所のカラスを連想した。
今とはずい分違う世の中だったんだなと感心しながらも、つい読み進んでしまった。話そのものより、作者が読者と絡みながらの構成となっているところに面白みを覚えた。