「行雲流水」の感想
行雲流水
こううんりゅうすい
初出:「オール読物」1949(昭和24)年9月1日

坂口安吾

分量:約27
書き出し:「和尚さん。大変でございます」と云って飛びこんできたのは、お寺の向いの漬物屋のオカミサンであった。「何が大変だ」「ウチの吾吉の野郎が女に惚れやがったんですよ。その女というのが、お寺の裏のお尻をヒッパタかれたあのパンスケじゃありませんか。情けないことになりやがったもんですよ。私もね、吾吉の野郎のお尻をヒッパタいてくれようかと思いましたけどネ。マア、和尚さんにたのんで、あの野郎に説教していただこうと、...
更新日: 2017/10/18
643a71586fd5さんの感想

この作家さんはよーく人間の事を見ていた人なんでしょう人物の心境や発言の表現がリアルだし解りやすくて一気にファンになりました!ラストでソノ子の桃割れ髪型が線路に轢かれる場面はソノ子のお尻の比喩が桃割れ髪型になって本当はパンスケを止めたいと思っている心情が現れていたり、ソノ子の桃割れ髪型が吹き飛んで髪がなくなったおかげで吾吉の言っていた事も実現されたという面白いオチで良かったです。そしてそれでも最後の最後までパンスケでお金を稼いでいくソノ子はとても強い女性ですね、なんだか時代性を感じずにはいられませんでした。