「戦後新人論」の感想
戦後新人論
せんごしんじんろん
初出:「文藝春秋 第二七巻第一一号」1949(昭和24)年11月1日

坂口安吾

分量:約19
書き出し:終戦後、私が新人現るの声をきいたのは、升田幸三がはじまりだったようである。十年不敗の木村名人に三タテを喰わせて登場した彼であるが、木村に三タテを喰わせたという事実だけなら、さしたることではなかったろう。彼の将棋は相手に一手勝てばよいという原則を信条として、旧来の定跡の如きを眼中にしない。したがって、旧来の定跡では、升田の攻撃速度に間に合わない、などゝ言われたが、棋界は彼の出現によって、棋士の気風が...
更新日: 2019/05/25
ハルチロさんの感想

大衆を基礎にした対局、芸能、運動競技の“新人”に対する評論である。今日では、その分野の大御所や伝説的人物の名も見られ、興味深い評論です。その分野で名を残す方々は、“新人”の頃から逸材だったんですね。職業選手ーープローーについては、敬意を払い評価されているのも印象的でした。