題意は ある漢字を分解して こじつけた 別荘のような家の 名称である。 終戦の頃 どさくさ紛(まぎ)れに 財を成した 闇成金(やみなりきん)は 結構いた。 妻子に逃げられ ささやかな家を手に入れた男の 脱力感を描く。
信子と克子は疎開をチャンスにして、亮作から離れられて本当に良かった。周囲の人間をイライラさせる。一番の被害者が家族だ。怠け者のくせに保身の言い訳だけはダラダラと無茶苦茶なことを並べたてる。読んでいるだけで胃がムカムカした。たとえ大地主になろうと宝くじで金持ちになろうと、こんな奴には近寄りたくない。そもそもこういう奴は首を括るなんてことはしない。己だけがかわいいんだから。