「ある僧の奇蹟」の感想
ある僧の奇蹟
あるそうのきせき
初出:「太陽」1917(大正6)年9月

田山花袋

分量:約97
書き出し:一久しく無住《むぢゆう》であつたH村の長昌院には、今度新しい住職が出来た。それは何でも二代前の老僧の一番末の弟子で、幼い時は此の寺で育つた人だといふことであつた。「ほ、あのお小僧さんが?それはめづらしいな。」などと村の人達は噂《うはさ》した。先代の住職が女狂ひをして、成規《せいき》を踏まずに寺の杉林を伐《き》つて売つたりして、そのため寺にもゐられなくなつてから、もう少くとも十二三年の歳月は経過した...
更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 廃寺を建て直した 雇われ僧の物語である。 何か特別の 奇手▫妙手を繰り出した訳ではなく 初めも 終りも 変わらぬ誦経で接した。 再建の 正攻法は 何処に在ったか を知ることは 自省の手がかりを  我々に 静かに示すと感じた。