甲賀三郎
この作品のトリックの解説、ストーリーの展開は、全く論理一貫性があり、説得力がありました。著者の経歴には農商務省の化学技官の経験があるとのことですが、その経験が活かされた作品ではないかと思います。また、結末については、ある程度読み進めると、予測出来るものでしたが、人間のエゴ、暗部が怖いほど浮き上がっているように感じます。大変面白い作品です。