頸飾りを返す時、正直に「無くした」と言えば夫婦の10年はもっと違ったものになったかもしれない。 また、彼女が上流社会に嫁げたとしても、性格を考えたら幸せになった かどうかも分からない。
デビッド・W・グリフィスが1909年に監督した短編映画「Necklace」を見て興味を引かれたので原作を読んでみた。映画では首飾りは盗まれて質屋に持ち込まれ、そこでイミテーションが判明する。金の返済のため、夫婦は一生働き、完済するやいなや過労死してしまう。映画のほうが余程深刻に描かれていた。
一夜の事件を切っ掛けに全てが変わってしまった話。 何か過ちを犯した時は正直に話すべき、という教訓か。 10年という歳月が無駄になった瞬間はどんな気持ちだったのか、想像することすらしたくない。
読み終わった瞬間にとてつもない絶望が襲ってきました。 美しくありたいと思う女性の時に浅ましくさえ思える行動がこんな結末を呼ぶとは。
女性のある種の習性、心理がみごとに描かれている。そして、それらから引き起こされる事件。本当に名作です。