「猿ヶ京片耳伝説」の感想
猿ヶ京片耳伝説
さるがきょうかたみみでんせつ
初出:「冨士」1937(昭和12)年10月

国枝史郎

分量:約38
書き出し:痛む耳「耳が痛んでなりませぬ」と女は云って、掌《てのひら》で左の耳を抑えた。年増《としま》ではあるが美しいその武士の妻女は、地に据えられた駕籠の、たれのかかげられた隙から顔を覗かせて、そう云ったのであった。もう一挺の駕籠が地に据えられてあり、それには、女の良人《おっと》らしい立派な武士が乗っていたが、「こまったものだの。出来たら辛棒《しんぼう》おし。もう直《じき》だから」と、優しく云った。「とても...
更新日: 2016/01/05
ソックモンキーさんの感想

心に響く人情話でありながら、各場面が映画を観ているかのように、アクティブに頭に浮かびました。話のおちかたも、日本人ならしっくりくる結末。 最後まで飽きずに読めます。