「阿片の味」の感想
阿片の味
あへんのあじ
初出:「文藝市場」文藝市場社、1926(大正15)年6月号

南部修太郎

分量:約6
書き出し:秦の始皇が不老の藥を求めた話はもうあまりに人口に膾炙してゐるが、この不老とは單に長生きをすると云ふ意味でなしに、老いてなほ色欲の享樂に堪へ得る旺盛な體力を求めるのが根本である事は云ふまでもあるまい。とにかくその色欲の享樂と云ふ點で古來支那人ほど工夫を凝らし頭をひねつた物はないらしい。是は一つはさう云ふ享樂に向く國情のせゐもあらう。一つは體力のせゐもあらう。一つは何にでも徹底的な性情のせゐもあらう。...
更新日: 2022/02/14
cdd6f53e9284さんの感想

禁断のタイトルに惹かれて読んだ。 文意としては、阿片を吸引したけれども、結局なんの反応もなかった、というもの。 しかし、肩透かしを食らってガッカリだったなどと言うなかれ。 歴史の教科書に載っていた阿片戦争の項で、弁髪の痩せさらばえた中国人たちが、薄暗い部屋で汚い寝台に物憂げに横たわりながら、一心に阿片を吸引して恍惚となっている怪しげな写真をみたことがあるが、その時は、見てはいけないものを見てしまったような、なぜか恐れと怯えを感じた、覚醒剤事犯が現実的な問題として存在する現在、リアルな感じは、いまとなつても、それほど衰えてはいないのだと思う。 混沌とした当時の中国魔界·阿片窟に潜入し、阿片の吸引を試みたというだけでも、十分なインパクトを持つドキュメンタリーとして読むことができた。 短文なのが、かえすがえすも残念。

更新日: 2020/02/22
b387583fc885さんの感想

なんとも言えぬ結末笑

更新日: 2019/09/17
459d81d0b10fさんの感想

やっと二十歳になって煙草やお酒を飲んだときの感想みたいだ。体になれるまでが大変だ。

更新日: 2018/02/05
ec538f32331eさんの感想

シナの阿片窟ってこんな感じだったんだ。臨場感がある。最後のオチが良い。

更新日: 2016/12/07
bdd53005a915さんの感想

頽廃の享楽。 巡る閉塞。 会わずカラス、耐えず殺す。