「あの世から便りをする話」の感想
あの世から便りをする話
あのよからたよりをするはなし

――座談会から――

――ざだんかいから――

海野十三

分量:約13
書き出し:僕の友達で人格も高く、学問の上からも尊敬され、友人からも非常に尊敬されていた男があったんです。それが不幸にして最愛の細君を失いました。或る日、その友達が私の所へ来て、「『心霊研究会』というものがあって、其処に実に素晴しい霊媒《れいばい》が見付かった。自分は今まで研究をして居《お》ったけれども、これ以上の霊媒はない」事実、霊媒を通じて奥さんと話をすると、いろいろ符合する所があるそうで、例えば奥さんが...
更新日: 2020/06/10
633e0bbad678さんの感想

毒をもって毒を制すという言葉がキーワードになるお話でした。 私には楽しめる作品でした。 最後に出て来る依頼者の方は、作中に出て来る所謂、狂人という状態で主人公の先生の元を訪れ、先生は毒には毒で治療をさせようと考えたのではないかと思いました。 狂人となった男は心霊研究会に参加して主人公の先生が以前に感じた様にその矛盾を解く事で馬鹿馬鹿しくなって自らが最初に持っていた毒(電波病)が抜けて正気に戻り、懸命に働き生きるために田舎に帰ったのだと思いました。 結局は生きることに集中して懸命になれることを探していけば、雑念が抜けて自ずと自らのやるべき事が見えてくるということを仰りたかったのではないかと思いました。 先生のお友達は奥様が他界されて消沈していたこともあり、真面目が災いとなって毒に犯されてしまったということなのでしょうね。

更新日: 2016/05/01
まきむらさんの感想

正気にかえったいきさつを詳しく…(笑)