黄金の腕環
おうごんのうでわ
流星奇談
りゅうせいきだん初出:「少年世界」1907(明治40)年1月分量:約13分
書き出し:一伯爵の別荘流星の飛ぶのを見るのは、余り気味の好《よ》いものでは無い、シーンとした真夜中|頃《ごろ》、青い光がスーと天空から落ちて来る有様は、恰《あたか》も人魂《ひとだま》でも飛んで来たよう、それが眼《め》に入《い》った瞬間は、誰《だれ》でもハッと思い、流星の落ちたと覚《おぼ》しき淋《さび》しき場所へは、余程の勇士でも、何《ど》うも恐ろしくて行き兼ねると云《い》う事だ。然《しか》るにこの流星に関し...