小栗虫太郎
芝居や劇団とがある種の人々を惹きつけるのは、身の上や身体的ハンディを問わない大らかさと、雑多な雰囲気があるからこそなんだろうな。この話は登場人物たちの秘められた過去と舞台裏の仕掛けが絡み合う。演目そのものより劇団員たちの話が実はキモであったというのが意外だったな。