人造物語
じんぞうものがたり
初出:「新青年」1931(昭和6)年4月号分量:約23分
書き出し:人造人間《ロボット》——1931年型である。**人造人間とはどんなものか。人造人間とは、人間が作った人形で、そいつは、機械仕掛けで、人間の命令どおり、忠実に根気よく働く奴だ。**さて、その人造人間が、ようやく、その存在を認められかけて来たようだ。本誌「新青年」の新年号に、「人造人間殺害事件」という探偵小説が出たのも、その一つ。前号には畏敬《いけい》する直木《なおき》三十五氏の「ロボツトとベツドの重...