『注文の多い料理店』序
『ちゅうもんのおおいりょうりてん』じょ
初出:「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」盛岡市杜陵出版部・東京光原社、1924(大正13)年12月1日分量:約2分
書き出し:わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃《もも》いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗《らしゃ》や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄...