「易者の哲理」の感想
易者の哲理
えきしゃのてつり

萩原朔太郎

分量:約3
書き出し:易者の哲理萩原朔太郎すべての易者たちは、彼の神祕な筮竹を探りながら、威嚇するやうな調子で言ふ。人間の一生は、天に於ける九星の宿位によつて、生れた最初の日から死ぬ時まで、必然に避けがたく豫定されてる。それ故に我々は、星占學の記入された簿記を調べて、君の生涯の第一頁から、奧付の終頁までを、確實に誤りなく、讀むことができるのであると。此處までの思想で見れば、易者の哲理は決定論に類屬して居た。それは科學の...
更新日: 2017/11/18
芦屋のまーちゃんさんの感想

その通り 運命・宿命・必然 なんかマイナスイメージの言葉だ 続く単語は不幸、悲惨、死など それに比べ 希望・奇跡・偶然 は幸福、喜び、生を連想する 人はいつ死ぬかわからないから不安になるのか?(未知の不安) かといって余命3ケ月と宣告されたらやはり尚更不安になるだろう(既知の不安) 易者は未知のはずの運命を既知にしようとする しかも運命を変えようとする しかし、人の運命を変えることはできない タイムトラベラーで過去に行かない限り不可能だ なぜなら変える対象の運命は運命ではないからだ 余命3ケ月のはずが3年も生きたとしたら、運命が変化したわけではなく、初めから余命3年が運命なのだ