久米正雄
本作品は題名の通り大学のボートレースが題材となっている。この作品の主人公は、恐らく、作者の出身校であろう。他校との競争ではなく、同大学の他学部との競争であるところが興味深いです。試合日までの選手の心理、試合中の選手の心理、試合後の選手の心理、各々が巧みに描写されているので、読んでいるこちらも、競技現場に居合わせるかのように感じました。学生時代にボート競技の経験者が読んだら、私以上に情景を思い浮かべられることでしょう。