「大衆の知恵」の感想
大衆の知恵
たいしゅうのちえ
初出:「シナリオ」1951(昭和26)年9月号

中井正一

分量:約6
書き出し:私はこの雑誌の五号で「カットの文法」という文章を書いたが、あの中で私は次のように書いた。カットをつなぐのは、ほんとうは、観衆なのである。観衆が、あの場面と場面をどんなこころで、つないで見るかを頭に置いて、シナリオ・ライターも、監督も、フィルムをつないでいくのである。フィルムには「である」「でない」の言葉がカットとカットの間にないから、小説家が勝手に書くように簡単にいかないのである。シナリオ・ライタ...
更新日: 2018/09/04
いちにいさんの感想

日本における大衆とは何か? 日本は300年も鎖国を続けてきた。 メリットもありデメリットもある。 メリットは凝りに凝った美だという。 雛人形などが典型らしい。ドイツあたりのpuppeとは遊び心が違うということか? 一方、デメリットは封建社会の残りカスが大衆を幼稚化させるようだ。日本は米国元帥の眼には12歳の子どもに写ったらしい。 シナリオライターの仕事は封建的な凝った美意識を持つ大衆の知恵に溶け込むことのようだ。 なんのこっちゃ?

更新日: 2016/03/16
芦屋のまーちゃんさんの感想

「三百年の冷凍文化」と日本を定義した。興味深い表現である。井の中の蛙という言葉があるが日本が長きに他国との外交を断ってきたことが、逆説的にかの大戦に敗戦した。すっかり溶けてしまった。その後はその反動で急激に外国文化を受け入れる道をたどる。 日本人は、根底は農民だが、思想は持ってないが願いはある、と言う。知識人に代弁してもらいたいのだ。ただ頼れる政治家も存在しないし、カオスは続く。