「おばあさん」の感想
おばあさん
おばあさん
初出:「苦樂」1947(昭和22)年1月号

ささきふさ

分量:約36
書き出し:一「おばあさんがいよいよ來るんですとさ。」私はひとごとのやうに云つて、彼の顏色をチラと窺つた。「來られるのかね。」「來るときめてゐるらしいわ。」私達夫婦は何事につけてもあまり多くを語らない。大きな卓の向うで、彼は僅かな言葉を洩らす間も、たいてい何かを讀んでゐる。私は傳へなければならない僅かをやうやうの思ひで云つてしまふと、いつもの癖で、目を硝子戸の外に向けた。つい先達て汗だくになつて刈込をした楊梅...
更新日: 2019/10/29
19双之川喜41さんの感想

 重層構造になっている。 実母と 著作と 老犬。 老人疎開は いいえて 妙である。 時代背景が 終戦直後なので 食料事情は 深刻な筈。 が 蜜柑や 鰻を食す。 落ちぶれた訳でないと感じた。