「死者の書」の感想
死者の書
ししゃのしょ
初出:「日本評論 第十四巻第一号~三号」1939(昭和14)年1月~3月

折口信夫

分量:約184
書き出し:一彼《カ》の人の眠りは、徐《シヅ》かに覚めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え圧するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。したしたした。耳に伝ふやうに来るのは、水の垂れる音か。たゞ凍りつくやうな暗闇の中で、おのづと睫《マツゲ》と睫とが離れて来る。膝《ヒザ》が、肱《ヒヂ》が、徐《オモム》ろに埋れてゐた感覚をとり戻して来るらしく、彼《カ》の人《ヒト》の頭に響いて居るもの——。全身...
更新日: 2024/04/09
19双之川喜41さんの感想

 筋立ては 京の都の頃 二上山の 落日と 共に 姫は 尊い 面影を見た。写経を 成し遂げ 皇子の 亡霊に 出会う。尊い お方との 出逢いを 蓮糸で 織り上げた 曼陀羅に 込める。 やがて 姫も 浄土に 誘われる。夢か うつつか 幻想的な 独特な 境地が 展開し 飽きさせないと 感じた。