父親が 溺愛(できあい)していた 幼子が 池にはまって 大いなる方の下に 旅立つという筋である。著者の 哀しみが 伝わってくると 痛切(つうせつ)に 感じた。
幼子が 庭の池で 溺死してしまう話しである。 回らぬ舌で 父親に お菓子をねだる情景など 愛情にみちた交流のあとでの 騒ぎなので 心穏やかには 読み進めないと感じた。 なお 本稿は2000年6月2日に続き 2度目の公開である。
伊藤左千夫の奈々子は、以前読んだ、娘を池にはまって死なせてしまった親の哀しみ、可愛い娘を思う気持ちを綴ったお話しのコピーです。
可愛い子どもたちと母親父親との柔らかなやり取りの様子が、親愛深く表現されていて、まずそこに心持ちが暖められます。いつもどの子にも 優しい目配りに溢れていはずなのに、一瞬の隙が生じて、親としては悔やみきれない事態が起こりました。 最後まで愛情に満ちた眼差しと冷静な筆致に、眼がじんわりとしてしまいます‼