師は 薔薇と百合に囲まれて 大いなる方のもとに 旅立った。 少年は 師の探し求めたものは 不死の霊のなかではなく 御一生の中に 探せば良かったと嘆く。 詩情溢れ 悠久の 境地に身を委ねると感じた。
難解。 だけれども、文章がきれいで、言葉の選び方が素敵で、芥川龍之介の訳文がとても心地よかった。 イエイツは、小説やマンガやいろんなところで引用されるので、興味はあった。他のものも読みたいと思った。 特に書き出しのところは、萩尾望都のマンガのワンシーンが浮かんで来てしまって不思議な感じがした。
詩的で情緒に溢れた作品だ。老師の放つ言葉から様々な物語が想像され、これを基に新たなハリー・ポッターや指輪物語にも匹敵するような物語を作れそうなほど……。しかし、そのような物語なのに短く美しく終わる。 とても素晴らしい世界観です。
古語やないかーい。
春の心臓を感じること、その温かさ、脈打つようなうつくしさ。少年は呟く。「御師匠様は外の人のやうに、珠数を算へたり祈祷を唱へたりして、いらつしやればよかつたのだ。」それはすべての物が宝石を刻んだ如くに見える、温な、美しい夜の一つであったのに。