春の雨のように優しく心にしみこんでくる文章で 派手さはないが一度読めば忘れる事ができない 虔十は自然の美と調和をよく理解していた 上手く説明出来なくても自らの手で表現できた そしてなにより両親や兄は愛情を持って虔十に接しており、これこそが虔十の原点なのだ、と思う 今も賢治の故郷にあるのかもしれない、小さな美しい杉林に思いをはせる そこには口を開け息だけで笑う虔十が昔と変わらないままいると感じながら
嫌な奴は当然のことながら死んだあと振り返られることもないと言うことで
虔十は 努めて 笑わないふりをする。 彼は 夢に生きているので いつも笑っており それを見て悪童達は 馬鹿にするからである。 彼は 植林を はじめる。皆から嘲笑され おどかされ それでも黙々と手入れをし やがて 急死してしまうのである。 後に残った林に 石碑がたつ。読み進みつつ涙が溢れてきてしまう。
心温まるいい話でした。
賢治の作品中一番好きです。 柔らかくて暖かくて爽やかで、何回読んでもなんとも言えない静かな感動で胸がいっぱいになります。
じわらと心に沁みる名短編