「不可解」の魅力
「ふかかい」のみりょく
初出:「時事新報」1924(大正13)年12月11日分量:約3分
書き出し:解らない、然し、何だか、かうふわつと来るものがある。少しぢれつたい、が、悪い気持ちぢやない。芸術の鑑賞が、常にこれでは少々心細いが、僕はたしかに、今日まで、かういふものにぶつかつたことがある。処が、さういふものでも、処々はつきり解る部分がないではない。そして、此の解る部分の魅力が、解らない部分の魅力をかなり左右することにも気がついてゐる。僕は、此の解らない部分の魅力といふやつが、相当に好きなんだ。...