雙之川喜1941 世上 流行 している 音曲は 芸術的な 価値が 薄い ほど 解りやすくて 面白いので 大衆的な ファンを 持っている。上手い 奇抜 目新しい 聴衆が 芸術的に 高揚 しなくても 筋立てに たより リズム 迫真性 装飾美 などに 充分 堪能 できる ように 仕掛が 組み 込まれている。しかし 能は そんな わけには いかない。数足 歩いた だけで 何百里も 歩いた ことになり たった 一人で 数万人と 切り結んだ ことになる。究極の 省略美 なので にわかに 誰もが 理解できる とは 限らない。能楽の 平易な 説明としては 「熊」という 字から 烈火を もぎ取り 後に 遺るのが 「能」と する。なので 手足を もぎ取られた 甚だしく 制約された 状態で パントマイムを 演じて 見せる ような もので その 困難さは 想像を 遥かに 超える。演者も 聴衆も 解りにくい ややこしさを 共有 せざるを えない。しかし 辛抱の 先には 滋味 深い 愉しみがまちかまえている。アニメ などに その 残滓を 感じ取られる ような 境地に 埋没 できる 解脱に たどり着くかも 知れないと 愚考した。