「悲劇喜劇」の編輯者として
「ひげききげき」のへんしゅうしゃとして
初出:「東京日日新聞」1928(昭和3)年8月21、23日分量:約7分
書き出し:今日までかういふ種類の雑誌があつたかどうか、いはゆる「公器」としては、あまりに個人本位であり、いはゆる「同人雑誌」としては、あまりに門戸開放に過ぎると思はれる、一雑誌の存在は、当今、少しく時代錯誤の観がないでもないが、流行は必ずしも一世の識者を悉く眩惑し去るものではないと思ふから、私は、好んで自分の立場を守ることにした。敢て野心的な言葉を弄するなら、私は、この雑誌によつて、日本の新劇運動に一つの新...