「風俗の非道徳性」の感想
風俗の非道徳性
ふうぞくのひどうとくせい
初出:「文芸春秋 第十八巻第九号」1940(昭和15)年6月1日

岸田国士

分量:約21
書き出し:風俗の非道徳性岸田國士一時局が特に要求する国民の覚悟といふことについて私は考へた。わが国民全体がかうあらねばならぬといふ状態を想像してみる。人間がおほむねさうあり得る現実の諸条件を計算に入れたうへである。現代の日本人がもつ強味と弱点とがまづ問題になるであらう。強味はなんと云つても国家意識の旺盛なことである。敵愾心も強い。いざといふ場合、有無を云はぬ。一種の生死観によつて、身命を潔く擲つことができ、...
更新日: 2019/09/07
ハルチロさんの感想

本作品は、『風俗』ーーここでは、時代にあった公序良俗を指していると思われるーーを矯正することで、日本の行く末を好くすると言うことを著しているように思われました。少々抽象的かつ哲学的な表現に感じる部分があり、数回繰り返して読んでみたいと思います。この作品の題名を見て、単純に『風俗』を現代社会における“風俗営業”と連想してしまった愚生には、本作品の『風俗』を読み取るには、時間が必要です。