「戦時下に於る文化運動の意義」の感想
戦時下に於る文化運動の意義
せんじかにおけるぶんかうんどうのいぎ

岸田国士

分量:約4
書き出し:戦時下に於る文化運動の意義岸田國士この時局下に於る文化運動の意義は、それが運動として国民的性格をもつ以上、飽くまでも物質、精神両方面に亘る「生活力の強化」を直接目指すにあると思ふ。それが為めには、政府の施設及び大政翼賛会の方針に基き、全国各地域の文化団体は、その企画を統一し、あらゆる専門分野の連繋によつて、適切有効な実践運動を展開しなければならぬ。「文化」は従来、政治経済の面から締め出しを喰つてゐ...
更新日: 2019/08/20
ハルチロさんの感想

出典がわからないので、確たることは図れぬが、戦時下における文化事業も、「大政翼賛」的に一致団結して“難局”を乗り越えよう、との政策的宣伝文のような作品に思える。この文中にある思想や理念は、戦時下ーー戦局漸次悪化の時局下ーーにおいては、正道を行くものである。軍人としての経歴を持つ文化人としての作者としては、このような“激文”も時と場合によっては、著されるのであろう。しかし、この“激文”の内容が、作者の“真意”であるか、愚生には図りかねる。