――九州地方講演筆記――
――きゅうしゅうちほうこうえんひっき――初出:「第一回九州地方文化協議会会議録」大政翼賛会組織局文化部、1942(昭和17)年1月岸田国士
この作品は、日中戦争に併行して始まった太平洋戦争で日本軍がまだ優位にあった頃に行われた講演の議事録です。講演の主体が大政翼賛会なだけに、戦意高揚、銃後の秩序統制に則した内容になっています。しかも、講演の場所が九州と言うこともあり、文武両道を強調した文化論も展開されています。個人的には、このような講演の内容は、受け入れられるのですが、当該戦争の歴史、結末を知っているので、少々感傷的に見てしまう作品です。