「戦時下の文化運動」の感想
戦時下の文化運動
せんじかのぶんかうんどう

――九州地方講演筆記――

――きゅうしゅうちほうこうえんひっき――初出:「第一回九州地方文化協議会会議録」大政翼賛会組織局文化部、1942(昭和17)年1月

岸田国士

分量:約19
書き出し:「決戦下における翼賛文化運動実践の具体的方針」について、私から御相談申上げるのでありますが、先程「論議の時代は過ぎた」とは一応は申しましたけれども、しかし吾々文化運動に携るものの間に、確乎たる共通の理念をつくつておくことが、是非共必要であると存じます。これは論議の時代は過ぎたのでありますが、まだ吾々の間にはつきりした共通の標識といふものが、打建てられてゐないのではないかと惧れる点がございますので、...
更新日: 2019/09/10
ハルチロさんの感想

この作品は、日中戦争に併行して始まった太平洋戦争で日本軍がまだ優位にあった頃に行われた講演の議事録です。講演の主体が大政翼賛会なだけに、戦意高揚、銃後の秩序統制に則した内容になっています。しかも、講演の場所が九州と言うこともあり、文武両道を強調した文化論も展開されています。個人的には、このような講演の内容は、受け入れられるのですが、当該戦争の歴史、結末を知っているので、少々感傷的に見てしまう作品です。