「街の探偵」の感想
街の探偵
まちのたんてい
初出:「シュピオ」1938(昭和13)年4月号

海野十三

分量:約11
書き出し:キップの装置『さっきから気をつけていると、コトンコトンと、微かなリズミカルな音がしているね』と、彼は指を天井の方に立てて云うのであった。『ああ、僕にも聞えるよ。鼠が居るのじゃないか』と、僕はこたえた。『ねずみ?鼠が音楽家でもあればねえ』と、彼はニヤリと笑って、『——あれは天井裏に、瓦斯《ガス》を発生する装置が置いてあるんだよ』『え、瓦斯を発生するって、一体なんの瓦斯だい』『多分キップの装置だろうね...
更新日: 2022/04/09
19双之川喜41さんの感想

 この 謎解き短篇 二編の 特徴は  犯人が 捕まると言うことはなく  専ら  科学知識を 披瀝(ひれき)するような 筋になっているところである。 ①は 亜鉛と希硫酸で水素瓦斯を発生させ  そこに 電気火花を加えて爆発させる。 ②は ホスゲン瓦斯の比重 は 空気の3倍半 なので 屋上の換気口から 下の 部屋に降下させ  瓦斯中毒死を 巧みに 引き起こす。 犯人の登場しない謎解きは 目新しくて 新鮮に感じる。

更新日: 2021/09/05
bc43847ac151さんの感想

現代でもドラマに出てきそうなトリックで面白かった。