うーん
スキマ時間にチャッチャと読めそうな短い小説だし、なにやら映画について書かれているようなので、読んでみた。 偶然、町で出逢った旧知の女給のハルちゃん、いまは映画女優になっているとのことだが、つい最近まで大陸で兵役についていて帰国したばかりの男には初耳だ。 こんな感じで二人の会話は、映画についての話になる。 そして、さらに読み進んでいくと、なにやら古い言葉が頻繁に出てくるので、傍らにタブレットの画面を開いて、聞いたこともないような言葉に遭遇するたびに辞書で調べながら読み進んだ。 例えば、こんな言葉が出てくる。 「おとなりのマメリューク·スルタンの国でパルチザンどもがストライキを起こして暴れるので鎮めにいったのさ」 スルタンといえば、イスラムっぽい響きだが、まさか、インドネシアということはないだろう。 確か、中国の共産党ゲリラをパルチザンといっていたと思うが、イスラムというのは、なんだ? う~ん、あっ、そうか。 モンゴルだモンゴル。 あそこは、チベット仏教とイスラム教の両方があったはず、しかも、中国にくっついて日本と敵対していたから、終戦の時は、モンゴルに抑留された日本兵がいたとかいう話もきいたことがある。ふむふむ よし、これでモンゴルに決定、さて、これからが映画、最初に出てきた映画は、グレンブルク原作のカラコラム映画「時は過ぎ行く」という作品。えっ、カラコルムじゃないわけ⁉️ でもなんか、シルクロードっぽい感じ。 それにグレンブルクなんて人もヒットしないけどなあ。 まあ、いいや、あまり時間がないから、ここはスルー。 続いて、トルキスタンなんて地名が出てきて、文脈からすると、どうもこれがカラコラム映画社と関係があるらしい。でもさあ、トルキスタンてアフガニスタンのほうだろ、あんな所まで行って戦争やってたのか? それとも、こういう小説を真に受けた自分がわるかったわけ?
義勇兵として戦地に行った男が 帰国したところ 偶然 今は女優に出世した昔の女に出くわす。 地の文はなく 大半が会話文であるけど 言ってることは 深く 今日的な意味合いもある。 軽いが深いと思った。
だんだん話が進むごとに、作者のプロパガンダ批判が見えてくるような気がします。