「蠅供養」の感想
蠅供養
はえくよう

田中貢太郎

分量:約11
書き出し:火鉢に翳している右の手の甲に一疋の蠅が来て止った。未だ二月の余寒の強い比《ころ》にあっては、蠅は珍らしかった。九兵衛はもう蠅の出る時候になったのかと思ったが、それにしてもあまり早すぎるのであった。九兵衛は手を動かして蠅を追った。蠅は前の帳場格子の上に往って手足を動かしはじめた。其処は京の寺町通り松原下町にある飾屋であった。店には二三人の小僧がいて、入って来る女客に頭の物をあきなっていた。九兵衛はも...
更新日: 2017/04/29
4798d837134cさんの感想

すっきりとした文章でとても読み易い。 季節外れの蝿に身近だった故人の魂を感じて、故人を思いやって行動する。 日本人の根底にある宗教観みたいなものが感じられて良かった。

更新日: 2016/03/12
581b7831d8b5さんの感想

タイトル、そのままでした。