子供のころを思い出させてくれるような、そんな話。 この話に出てくるのは、鍋にお皿にカーテン。舞台は台所。仕事に飽きて、外の世界に逃げ出す相談をしています。もちろん人間はでてきません。人間の前では、動いたり話したりすることはできませんから。もし鍋の顔が赤くなって、皿が大きな口を開けて、カーテンが話しかけてきたら……。それはホラーかファンタジー、ただの妄想になってしまいます。人間がいないからこそ、完全な物語にはならないんです。現実と妄想の間、朝の微睡み、そんなふわふわと幸せで、ちょびっとだけワクワクさせてくれるお話しです。
良いです