あとがき
あとがき
――『おぢいさんのランプ』後書――
――『おじいさんのランプ』あとがき――初出:「おぢいさんのランプ」有光社、1942(昭和17)年10月分量:約3分
書き出し:はじめて世に出る童話集なので、心のなかでひやひやしてゐます。昨年、良寛《りやうくわん》さんの伝記物語「手毬《てまり》と鉢《はち》の子」を出すときにも、それは私がはじめて書いた本なので、ひやひやしました。しかし、こんどはまたこんどで、別な不安があります。前の本は伝記物語でした。つまり、良寛さんといふりつぱなお坊さんがじつさいにゐて、その人の書き残したものや、その人について書かれたものもいろいろあつて...