「鳥右ヱ門諸国をめぐる」の感想
鳥右ヱ門諸国をめぐる
とりえもんしょこくをめぐる
初出:「花のき村と盗人たち」帝国教育会出版部、1943(昭和18)年9月30日

新美南吉

分量:約42
書き出し:一鳥山鳥右ヱ門は、弓矢を抱へて、白い馬にまたがり、広い庭のまんなかに立つてゐました。しもべの平次が犬をひいてあらはれるのを待つてゐたのです。その、しもべの平次を、主人の鳥右ヱ門はあまり好きではありませんでした。平次はかれこれ二月ばかりまへ、鳥右ヱ門の館《やかた》にやとはれて来た、背の低い、体のこつこつした、無口な男です。どこの生まれなのか、自分でもよく知らないといつてゐました。自分の生まれたところ...
更新日: 2020/11/16
19双之川喜41さんの感想

 平次の目は 何やら人を咎めるような目付きと言うだけで 鳥右エ門は 二度までも目を射ぬく。 気の触れた鳥右は 無いものを探しに 出奔し 野山を駆け巡る。 知らず 心を打つ。